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中華料理 東

Restaurant

56.2㎡/17坪

April, 2021

Sakai, Osaka

photo: Masakazu Kuroiwa

50年続く町中華の移転後の新店設計

「お子さんにも来ていただきやすいよう席間隔には余裕を持たせたい」、「キッチンの効率は良く、テイクアウトにも対応したい」といったご要望をいただきました。

すでに地元で愛されているお店であることから、移転後の店舗でも変わらず愛され続けてほしいと考え、設計に臨みました。
そのため、過度に“綺麗すぎる店”にはせず、工場跡地の雰囲気を適度に残しつつ、店主の趣味と、多くの人が心に抱く懐かしさのイメージが重なるような空間を目指しました。

既存倉庫の塗装から色を採取し、新しい建材との調和を検討。また、部分的にはアンティーク加工を施し、敢えて使い込まれたような風合いを加えました。機能的な部分でも、あえてステンレスではなく、安価ながら味のある亜鉛鉄板を選定しています。

「新店舗になって高級すぎず、かといって安っぽくも見えすぎない」という絶妙な仕上がりのバランスを狙う作業は、一筋縄ではいかないものでしたが、非常に興味深いプロセスでした。

夜間のアイキャッチにはネオンサインを設置。LEDとは異なる放電の光は、人の感情に直接訴えかけるような、ノスタルジーを感じさせる温かみをもたらしています。

施工協力 あをい屋