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松の間

Hotel / Residence

Indoor 82.8㎡/25坪

outdoor 68㎡/20.6坪

March,2024

Kanazawa-shi, Ishikawa

金沢町家と和洋折衷の風情を感じられる宿泊施設

私たちは金沢市の中心地東山三丁目にある、老朽化が進んだ空き家を改修し、インバウンド向けの新たな宿泊施設として設計・デザインしました。

改修にあたり「複数名でも過ごしやすく、非日常性も感じられる静寂と艶っぽさ」をコンセプトに、既存の伝統的な造りを修復するレストレーションと新たな価値を付加するリノベーションを行いました。

新たに用意した駐車可能な前庭、広々としたリビングダイニングからは見栄えとメンテナンス性の良い奥庭、二名宿泊用、三名宿泊用の部屋、さらにエクストラベッドを備えるなど、機能性と美しさを共存させた空間作りを意識しました。

リビングダイニングは、ダイニングからリビング、さらに奥庭へと広々とつながる空間を実現するため、既存の間取りを変更し、床面をフローリングにしています。間取り変更と新たに作った吹き抜けは外光を効率的に室内に引き込み、気持ちよさと過ごしやすさに寄与します。修復した床の間には現代アートをコーディネートしましています。壁のクロスはイギリス製ですが和服の帯を彷彿とさせる立体的な模様が特徴です。

二名宿泊用の部屋は、吹き抜けを活用した二階に位置します。広々としたキングサイズの特注ベッド、吹き抜けに合わせた現代和紙の照明や、イタリアのデザイン性の高い照明を取り入れた空間で、落ち着きと艶っぽさを演出しました。壁には群青色の左官、床の間にはグラデーションのクロスを用いました。向かい側の建物からの視線が入る窓は、目線を遮りつつも心地よい光を取り込むデザイン障子を特注しています。

三名宿泊用の部屋では、畳に敷き布団を用いた日本の伝統的な宿泊スタイルとしています。壁は日本古来の萌黄色の左官に乱れ銀箔の襖を用い、日本の伝統的な美しさを感じられるように工夫しました。


訪れた方々の琴線に触れ、心地よい時間を過ごしていただければと願っております。

町家レジデンスイン金沢「松の間」

設計者記録やBeforeなど